あなたの目の疲れ、もしかして「VDT症候群」かも?
こんにちは!横浜明堂の石尾夏海です!
この記事では眼精疲労と東洋医学の「眼」に関する考え方やおススメのツボをご紹介します
スマートフォンの普及で、私たちの生活はより便利になりました。しかし、その一方で、長時間画面を見続けることによる目の疲れ、いわゆる「VDT症候群」に悩む方が増えています。
「VDT症候群」とは、「Visual Display Terminals」の略で、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイを長時間使うことで現れる、目の疲れや体の不調の総称です。実はこの言葉、1980年代に当時の労働省(現在の厚生労働省)が、新しい働き方による身体的な負担を軽減するために作られたガイドラインで生まれたものなんです!80年代から現在の身体負荷に関しての懸念はあったわけです!
めっちゃ余談だけど80年代は安倍内閣と並ぶくらい長期政権だった第二次中曽根内閣時代です!
- 第3次と一緒にするともう80年代はほぼ中曽根時代です

40年以上経った今、パソコンだけでなくスマートフォンの普及により、このVDT症候群は「IT眼症」とも呼ばれ、多くの方がその症状に悩まされています。この記事では、そんなつらい目の疲れに鍼灸治療がどのように役立つのかご紹介していきたいと思います。
目の疲れ、なぜ起こるの?
私たちの目は、レンズの役割をする「角膜」と、その角膜についている筋肉(毛様体筋など)によって、遠くのものや近くのものにピントを合わせています。
こういった筋肉は自分で動かせる「随意筋」という種類なのですが、かなり細い筋肉なので疲れやすいです。

↑は眼球周囲の筋肉です!
スマートフォンなどの近くのものをじっと見続けていると、目のピントを合わせる筋肉がずっと緊張した状態になってしまいます。これが短時間であれば問題ないのですが、何時間もその状態が続くと、筋肉がこり固まってしまい、ピント調整がうまくできなくなることがあります。
これが、まるで老眼のように感じることから「スマホ老眼」と呼ばれることも。
でもご安心ください、これは老眼ではなく、若い方にも起こり得る目の疲れなんです。
ドライアイと首肩のこりも関係しているかも?

さらに、モニターを長時間見つめていると、まばたきの回数が減りがちです。まばたきは、目の表面を潤し、乾燥から守る大切な役割があります。まばたきが減ると、目が乾きやすくなり、「ドライアイ」を引き起こし、これも眼精疲労の原因となります。
そして、眼精疲労に悩む方に非常によく見られるのが、「肩こり」や「首こり」です。集中して画面を見たり、前かがみになったりすることで、首や肩、胸の周りの筋肉が知らず知らずのうちに緊張していることが多いのです。当院にも、この首や肩のこりからくる「緊張性頭痛」に悩まされている方が多くいらっしゃいます。
緊張性頭痛に関する記事は他にもあるので良かったら見てみてください!
現在、私の鍼灸院で施術を受けている多くの患者さまも、「目の疲れ」による不調でお困りです。
特に首こり・肩こりは、鍼灸治療で最も多くご相談いただくお悩みですが、最近ではそれと同時に「目の疲れ」を訴える方が非常に増えています。
首の緊張は、血流にも悪影響を及ぼします。心臓から送り出された血液が、目や頭、手足、内臓へと行き渡るためには、首の血管がとても重要な通り道となります。首の筋肉が凝り固まっていると、血流が悪くなり、目にも十分な栄養が行き渡りにくくなってしまうのです。鍼灸治療では、このような血流の改善にもアプローチしていきます。
東洋医学から見た眼精疲労と鍼灸の力
少し東洋医学的な視点から眼精疲労を考えてみましょう。
東洋医学には「肝(かん)」という考え方があります。これは西洋医学の肝臓とは少し異なり、ストレスや持続的な筋肉の緊張による体の疲労とも深く関係しています。東洋医学では、この「肝」の働きを整えることが、目の健康にもつながると考えられています。
直接目と関係ないように思えるツボでも、「肝」の流れを良くするツボや、全身の血行を促進するツボにアプローチすることで、体の内側から眼精疲労の改善を促していきます。
鍼灸でつらい眼精疲労を和らげませんか?
当院では、あなたの目の状態やお体の状態をじっくりとお伺いし、最適な鍼灸治療をご提案いたします。ツボへの刺激や血流の改善を促すことで、目の疲れだけでなく、肩こりや首こり、頭痛といった関連する症状も和らげていくことが期待できます。
長時間のデスクワークなどで運動不足を感じている方には、ご自宅でも簡単にできるストレッチなどもご紹介できますので、お気軽にご相談くださいね。
眼精疲労におすすめのツボ3選
日々のケアに取り入れてみてください。
- 睛明(せいめい): 目頭と鼻の付け根の間にあるくぼみ。
- 太陽(たいよう): こめかみから目尻に向かって少し外側にあるくぼみ。
- 合谷(ごうこく): 親指と人差し指の骨が交わる少し手前のくぼみ。
これらのツボを優しく押したり、温めたりするだけでも、目の周りの血行が促進され、リラックス効果が期待できます