【鍼灸師が解説】寝ても疲れが取れないあなたへ。自律神経の乱れからくる不眠を解消する方法
【鍼灸師が解説】寝ても疲れが取れないあなたへ。自律神経の乱れからくる不眠を解消する方法

「ベッドに入っても、なかなか寝付けない…」 「夜中に何度も目が覚めて、朝スッキリしない」 「寝起きの頭が重く、体を引きずるようにして仕事に向かう」
そんな、つらい不眠のお悩みはありませんか?
もし、あなたが日中の仕事や家事に集中できないほどの不調を感じているなら、それは単なる寝不足ではなく、心と体のバランスを調整する「自律神経の乱れ」が原因かもしれません。
この記事では、なぜ自律神経が乱れると眠れなくなるのか、そして鍼灸治療でどのようにその不調を改善していけるのかを、専門家の視点から分かりやすく解説します。
はじめまして、鍼灸師の石原なつみです。私自身、鍼灸を通じて多くの不眠に悩む患者さんと向き合ってきました。この記事が、あなたの悩みを解決する一助となれば幸いです。
なぜ?自律神経の乱れが不眠を招くメカニズム
私たちの体には、自分の意思とは関係なく心臓を動かしたり、体温を調整したりしてくれる「自律神経」が備わっています。
自律神経には、活動モードの「交感神経」とリラックスモードの「副交感神経」という、2つの機能があります。これらがシーソーのようにバランスを取りながら、私たちの心と体を支えてくれているのです。
例えば、大事なプレゼンの前や、仕事の締め切りに追われている時、私たちの体は緊張し、「交感神経」が優位になります。血管が収縮して心拍数が上がり、いわば「戦闘モード」になるわけです。
逆に、家族と談笑している時や、1日のタスクを終えてソファでくつろぐ時などは、「副交感神経」が優位になり、心身ともにリラックスした状態になります。
本来、日が沈むと自然に副交感神経が優位になり、体は休息の準備を始めます。しかし、現代を生きる私たちはどうでしょうか。
- 長時間のデスクワークと残業
- 深夜まで浴び続けるスマートフォンやPCの光
- 複雑な人間関係や社会的ストレス
これらの影響で、夜になっても「交感神経」が優位なまま、つまり車で言えばアクセルを踏みっぱなしの状態で過ごしている方が非常に多いのです。これでは、心と体が休まらないのも無理はありません。
鍼灸が自律神経にアプローチできる理由
では、鍼灸治療はどのようにして、この「アクセルを踏みっぱなしの状態」を解消するのでしょうか。
鍼(はり)やお灸(おきゅう)で特定のツボを刺激する鍼灸治療は、高ぶった交感神経の働きを鎮め、心と体のスイッチをリラックスモードの「副交感神経」へと切り替えるお手伝いをします。
また、鍼灸は神経への作用だけでなく、全身の血流を促進する効果も期待できます。特にデスクワーカーの方が悩みがちな首や肩の深い部分の緊張を和らげることで、心身ともにリラックスした状態へと導くことができるのです。
さらに東洋医学の観点では、「気(き)」「血(けつ)」の流れを整えることで、不眠の根本原因にアプローチできると考えています。
今日からできる!安眠のためのセルフケア
鍼灸院に通えない日でも、ご自身でケアをすることで睡眠の質は変わってきます。ここでは、不眠に効果的な4つのツボをご紹介します。心地よいと感じる強さで、ゆっくり押してみてください。
- 神門(しんもん)
- 場所:手首の内側、小指側のくぼみ。
- 効果:精神を安定させ、心を落ち着かせるツボです。
- 内関(ないかん)
- 場所:手首のしわから指3本分ひじ側の中央。
- 効果:乗り物酔いにも使われる、リラックス効果の高いツボです。
- 失眠(しつみん)
- 場所:かかとの中央のふくらみ。
- 効果:その名の通り、不眠に効果的です。お灸を使うのもおすすめです。
- 百会(ひゃくえ)
- 場所:頭のてっぺん、両耳を結んだ線と顔の中心線が交わる場所。
- 効果:自律神経のバランスを整える万能のツボです。(北斗の拳で有名ですが、もちろん押しても爆発はしませんのでご安心くださいね)
【ナイトルーティーン】ツボ押しに加えて、寝る前の習慣を見直すことも大切です。ちなみに私は、眠れない時にはYouTubeでジブリのピアノコレクションを流します。これが眠りへのスイッチになっているようで、自然とリラックスできますよ。あなただけの「入眠儀式」を見つけるのもおすすめです。
一人で悩まず、専門家にご相談ください
当院には、不眠だけでなく、胃腸の不調など、自律神経の乱れからくる様々な症状にお悩みの方がいらっしゃいます。場合によっては、信頼できる漢方薬局をご紹介し、漢方薬の服用をおすすめすることもあります。
私たちは、お一人おひとりの体質やお悩みを丁寧にカウンセリングし、あなたに合った施術で睡眠の質を改善するお手伝いをさせていただきます。
不眠は、年齢や性別に関係なく、誰にでも起こりうるつらい症状です。そしてその原因は、ストレスやオーバーワークなど、一つではありません。
もしセルフケアだけでは改善が難しいと感じたら、どうか一人で抱え込まないでください。 鍼灸治療を通じて、不眠に悩むあなたの力になれることを心から願っています。つらい不眠から解放され、スッキリとした朝を迎えられるよう、一緒に頑張りましょう。
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