手足の冷えは万病のもと?鍼灸でめぐりを整え、冬に負けない体を作ろう

こんにちは!横浜明堂鍼灸院の石尾です!

朝晩の空気がひんやりと感じられ、秋の深まりと共に冬の気配が近づいてきましたね。過ごしやすい季節はあっという間で、「またあのつらい冷えの季節が来るのか…」と、少し憂鬱に感じている方はいらっしゃいませんか?

「冷えは万病のもと」と言われるように、体の冷えは肩こりや頭痛、不眠、免疫力の低下など、様々な不調を引き起こす原因となります。

今日は、本格的な冬が来る前に始めたい「温活」について、東洋医学の視点からご紹介したいと思います。

【あなたの冷えはどのタイプ?東洋医学で考える3つの原因】

一口に「冷え」と言っても、東洋医学ではその原因を非常に複雑に、そして丁寧に見極めていきます。ご自身のタイプを知ることが、効果的な対策への第一歩です。

エネルギー不足タイプ(陽虚 – ようきょ) 体を温めるエネルギーそのものが不足している状態です。エンジンのかかりが悪い車のように、熱を生み出す力が弱まっています。

  • 特徴: 胃腸が弱く疲れやすい、全身がなんとなく冷える、温かい飲食物を好む
  • 解説: 実際に体温が低いというよりも、温める力(陽の気)が不足しているため、相対的に冷えを感じやすいのがこのタイプです。

めぐりが悪いタイプ(気滞・瘀血 – きたい・おけつ) 熱を生み出すエネルギーや血液は十分にあるのに、ストレスや運動不足によって全身への巡りが滞っている状態です。いわば、エネルギーの「交通渋滞」が起きているイメージです。

  • 特徴: 手足の先は氷のように冷たいのに、顔や上半身はのぼせやすい、肩こりや頭痛、イライラしやすい
  • 解説: 全身に熱が均等に届いていないため、部分的な冷えとほてりが混在するのが特徴です。

うるおい不足タイプ(血虚 – けっきょ) 全身に栄養と熱を運ぶ「血(けつ)」が不足している状態です。特に、月経のある女性に多く見られます。

  • 特徴: 痩せ型で顔色が青白い、めまいや立ちくらみがある、皮膚が乾燥しやすい、爪が割れやすい
  • 解説: 全身を温めるための「お湯」の量そのものが少ないため、体の隅々まで温かさが行き渡りにくくなっています。

【今日から実践!大切なのは「三つの首」を温めること】

もちろん、睡眠・食事・運動という生活の基本を整えることが大前提ですが、特に冷えが気になる方に意識していただきたいのが「三つの首」を温めることです。

「首」「手首」「足首」

この三箇所は皮膚が薄く、太い血管が体の表面近くを通っているため、ここを温めることが全身を効率よく温めるための重要なポイントになります。

  • 外出時: マフラー、手袋、レッグウォーマーを活用する
  • 在宅時や就寝時: ネックウォーマーやアームウォーマー、ゆるめのレッグウォーマーを着用する

こんな簡単なこと?と思うかもしれませんが、この習慣があるかないかで、体感温度は大きく変わります。ぜひ今日から試してみてください。

【鍼灸だからできる、根本的な冷えへのアプローチ】

セルフケアを頑張ってもなかなか改善しない、つらい冷え。そんな時は、ぜひ私たち専門家にお任せください。鍼灸治療は、体の外から温めるだけでなく、体が自ら熱を生み出し、巡らせる力を引き出すことを得意としています。

  1. 鍼で「めぐり」の滞りを解消 鍼で硬くなった筋肉をゆるめ、全身の血流の通り道をスムーズにします。エネルギーの交通渋滞を解消し、手足の末端まで温かさが行き渡るように促します。
  2. お灸で「エネルギー」を直接チャージ 体の芯からじんわりと温めるお灸は、冷えに直接アプローチできるのが最大の強みです。ご自宅で使える「せんねん灸」のような台座灸もございますので、冷えを感じた時にご自身でケアすることも可能です。
  3. 自律神経のバランスを整える 体が温まりリラックスすると、血流をコントロールしている自律神経のバランスが整います。その結果、緊張がほぐれて睡眠の質が上がり、疲れにくい体へと変わっていきます。

【おわりに】

今年の冬は、つらい冷えを「いつものこと」だと諦めずに、ご自身の体と向き合ってみませんか?

本格的な寒さが訪れる前の今からケアを始めることで、冬の過ごしやすさは格段に変わります。ご自身の冷えのタイプが分からない方、根本から体質を改善したい方は、ぜひ一度お気軽に当院へご相談ください。