小雪の漢詩
時が立つのは早いもので11月ももう終わりですね。
今日から始まる小雪の漢詩をご紹介します。
入夜粛々響
夜に入って 風の音が粛々として響き
声消恰転更
風の声は消えて ちょうど夜の一刻みの時が次の刻みに転ずる
僅能酬節序
季節は順序よく巡り 少しの雪という節気の意味に わずかに酬いることが出来ただけで
不足殄蝗螟
これぐらいの雪では イナゴやズイズイ虫の害虫を駆除するには とてもじゃないが降り足りない
瓦縫何曾満
屋根瓦が織りなす縫い目の模様は どうしてまたこれしきの雪で満たされて 埋もれてしまおうか
庭凹亦未平
中庭のくぼみもまた まだ地面と平になるほどには
窓疎灯欲死
窓の目張りが疎らで 隙間風が吹き込み 灯は今にも消えようとしている
倶誤照書明
雪は窓辺から書を照らす明かりにはならず 二つとも倶に読書灯には遠い