冬の肩こりの正体は、筋肉の「自家発電」?僧帽筋は1人3役のブラック労働中かも。

横浜明堂鍼灸院の石尾夏海です

12月に入り、朝の空気が冷たく張り詰めてきましたね。 特に今週は、月・火と少し暖かかったですが、本日水曜日からまたグッと冷えてくるようです。

この時期になると急増するのが肩こりです。

「寒くてつい肩をすくめてしまうから」 とも思いますが、実はそれだけでなく、体の「防衛反応」が大きく関係しています。

冬の肩こりの正体、それは「僧帽筋(そうぼうきん)」の働きすぎであることが多いのです。

人間は「恒温動物」です

私たち人間は「恒温動物」です。 体温がわずかに数度下がるだけでも命に関わるため、脳は筋肉に「動いて熱を作れ!」という命令を出します。

これを「シバリング(震え)」と言います。

ガタガタ震えるほどじゃなくても、冬の屋外にいる時、筋肉は目に見えないレベルで小刻みに震えて、一生懸命「熱」を作っています。

メインで働くのが「僧帽筋」

この熱を作る作業で、最前線で働くのが、首から背中にかけての大きな筋肉、「僧帽筋(そうぼうきん)」です。

僧帽筋は面積がとても大きく、熱を作るのに効率が良い筋肉です。 しかも、ボーリングの球ほどある「頭の重さ」を支えながら、外気にさらされやすい首元を守っています。

つまり冬の僧帽筋は

  1. 頭を支える
  2. 寒さから守る
  3. 熱を作る(発電)

という、「1人3役のブラック労働」を強いられているのです。 これでは、凝らないはずがありませんよね(苦笑)

まずは「保温」で負担を減らす

このブラック労働を少しでも緩和させてあげるためには、 「寒さから守る」という役割を、道具に任せることです。

マフラーやネックウォーマーなどで、必ず首を温めてあげてください。 外からの熱があれば、筋肉は無理に自家発電しなくて済みます。

それでも抜けない奥深い疲れや、岩のように固まってしまった凝りには、鍼(はり)やお灸が効果的です。

使いすぎて酸欠になった僧帽筋の血流を一気に改善し、本来の柔らかさを取り戻します。

12月はまだ始まったばかりです。 年末の忙しさを乗り切るためにも、ぜひ一度メンテナンスにいらしてください。