【院長日記】客船時代の思い出と、ローマのカフェでの一コマ
最近、塩野七生(しおの ななみ)先生の古代ローマに関する本を読んでいます。これがとても面白くてすっかり引き込まれているのですが、古代ローマで起きていたことと、現代の日本の政治状況には、どこか似ている部分があるように感じます。
塩野先生は、体制が長く続き、一部の近親者や身内だけで物事が回るようになっていく政治の腐敗や淀みを、「制度疲労」や「動脈硬化」という言葉で例えられています。 私たち鍼灸師としては、「動脈硬化」という表現が出てくると、職業柄どうしてもチクッと反応してしまいますね(笑)。国も人間の体と同じで、一部が滞って循環が悪くなると、全体に不調をきたしてしまうのだなと妙に納得してしまいました。
古代ローマといえば、カエサル(シーザー)が「ルビコン川を渡る」という大決断をして、政治体制を大きく変えたエピソードが有名です。現代の英語表現でも「ルビコン川を渡る(Cross the Rubicon)」という言葉は、後戻りできない改革や決断の例えとして使われます。 船で世界中を回っていた時、特にアメリカのお客様は、古いものを思い切って変える「改革」や「決断」を好む文化が根付いていると感じていました。彼らの琴線に触れる歴史的エピソードなのかもしれません。
さて、そんなローマを含む地中海エリアは、私が客船時代に最も長く滞在していた、とても思い入れのある場所です。 何度も訪れた懐かしいローマですが、今でも鮮明に覚えているカフェでの出来事があります。
ある時、アメリカ人のお客様がカフェのイタリア人マスターに「アメリカンコーヒー」を注文しました。するとマスターは、エスプレッソを普通のマグカップに注ぎ、そこにお湯を足して薄く伸ばした「アメリカーノ」を出したのです。 お客様は「ちゃんとしたドリップコーヒーを出してくれ」と不満げだったのですが、マスターは誇り高く「そもそもそんなものはコーヒーじゃない。これを飲め!」と譲りません。
お客様も「仕方ない、飲むか。でも絶対にチップは払わないぞ」というむしゃくしゃした雰囲気で一口飲んだのですが……これが意外にもすごく美味しかったようなのです! 結局、その方は多めのチップを置いてお店を後にしました。なんとも人間味あふれる、文化の違いを感じた素敵なエピソードで、塩野先生の本を読みながらふとこの出来事を思い出しました。
今、歴史ある地中海の風景や美味しいコーヒーを思い出し、「またイタリアに行きたいな」という気持ちが募っています。 ただ、昨今の円安の影響で、海外旅行はなかなか気軽には行きづらい状況ですよね。Yokohama Meido Acupuncture Clinicにお越しくださる患者様とお話ししていても、旅行がお好きな方にとっては本当に影響が大きいなと感じます。
早くこの円安が落ち着いて、皆さんがまた自由に、世界中の素敵な場所へ旅に出られる日が来ることを願っています。
季節の変わり目で雨の多い時期ですが、皆様のお体も「動脈硬化」や「気・血の滞り」が起きないよう、当院でしっかりメンテナンスさせていただきますね!今週も健やかにお過ごしください。

