鍼治療後のだるさ(鍼あたり)を防ぐ。繊細な部位を守る「鍉鍼(ていしん)」の使い方

皆さん、こんにちは。横浜明堂鍼灸院の石尾です。

鍼灸治療を受けた後、体が羽のように軽くなる方がいる一方で、「体が重だるくなった」「異常に眠気を感じる」といった経験をしたことはありませんか? これは東洋医学では「鍼あたり」と呼ばれる症状です。

なぜ「鍼あたり」は起こるのか? 鍼あたりとは、体が鍼の刺激に対して過剰に反応してしまい、一種の「刺激過多(オーバーワーク)」に陥っている状態です。 マッサージの揉み返しとも少し似ているのですが、体が回復しようとする好転反応の一部でもあります。ただし、鍼が初めての方や過度に緊張している方、感覚が繊細な方に起こりやすい傾向があります。

私が鍼灸師として日々の施術で特に気を配っているのが、まさにこの部分です。患者様の体型やその日の状態など、多くの要素から「どの程度の鍼の刺激が最適か」「逆に疲れさせてしまわないか」を細かく見極めています。

ざっくりとした傾向ですが、男性で中肉中背以上の方には、ある程度しっかりとした鍼を施すことが可能です。一方で、細身の女性や自己免疫疾患をお持ちの方には、なるべく鍼の刺激(本数や深さ)を少なくして治療を組み立てた方が予後が良いというのが、私の現在の考え方です。

繊細な「前頸部(首の前面)」へのアプローチ 刺激量をコントロールする上で、特に注意が必要なのが「前頸部(首の前面)」です。 首の前面には脳へ繋がる太い血管や、自律神経の重要なネットワークが集中しています。と同時に、デスクワークなどで重い頭を支えるため、非常に負荷がかかる部分でもあります。

ここへの適切なアプローチは、つらい症状を一気に改善する可能性を秘めている反面、強い刺激の鍼を打つと、敏感な方はすぐに鍼あたりを起こしやすい非常にデリケートな場所なのです。

当院の解決策:「刺さない鍼(鍉鍼)」の導入 そういったデリケートな部位に対し、当院で導入しているのが「鍉鍼(ていしん)」です。 通常の刺す鍼ではなく、この鍉鍼という特殊な鍼を使用することで、刺激を最小限に抑えながらも、筋肉の緊張をしっかりと和らげることができます。

「低刺激な刺さない鍼で本当に効果があるの?」と疑問に思われるかもしれません。しかし、金属の優しいタッチが皮膚表面のセンサーを通じて脳に的確なシグナルを送り、刺激過多を起こすことなく、安全に自律神経の緊張を解きほぐすことができるのです。 特に、自律神経が過度に緊張している方には、この前頸部への優しいアプローチを多く取り入れています。

当院では、患者様お一人おひとりのその日の体調や、刺激への感受性を細かく見極めた上で、最適な施術と道具を選択し組み立てています。 「鍼は痛そうで怖い」「以前、鍼を受けてだるくなってしまった」という方も、ぜひ一度、横浜明堂鍼灸院までお気軽にご相談ください。あなたの体に負担をかけない、最も心地よい治療をご提供いたします。